診療ノート
脱!部分入れ歯。インプラント治療の難症例 #2
部分入れ歯の使用で常に負担を掛けていたこと、また歯周病の進行とともに歯茎がさがり本来の免疫機能が低下していたことも重なり、歯の根が感染しその炎症(膿)が歯茎のサイナストラクトとなっていました。
歯周治療をおこなう前に歯の根の膿のもとを取り除く必要があります。天然歯は残せる可能性があったため、感染した根の先とその病巣だけを取り除きます。
根の先端のみの感染であったことから、抜歯から歯を守る歯根端切除術を選択しました。これは膿の袋を取り出し、感染した歯根だけを切除します。その後、逆根管充填という根の先からの根管治療で封鎖し治療を終えます。
これにより抜歯をせず大切な天然歯を残せる可能性を高めることができます。大塚歯科クリニックでは安易に抜歯を選択することなく治療後の QOL向上を念頭に、歯を残して守る歯科治療を開院から実践してきました。
上の前歯の裏側をミラーを使って見てみると、唇側の歯茎が赤黒くなっていた左上2番、3番の歯は被せ物の隙間から虫歯が進行していることが伺え、歯茎も炎症でブヨブヨとしています。患者さんはこれまでのブリッジ、そして部分入れ歯のストレスもあり、強く歯科インプラントをご希望になられましたが、歯と歯茎の状態、そして顎の痩せた骨の状況からインプラント手術は非常に難しい状態であると、まず率直にお伝えしました。
患者さんの強い希望であったインプラント治療に向けて、一度目の GBR 治療をおこないました。歯周病も進行し極端に骨と歯茎が痩せているため難しいチャレンジですが、インプラント専門医とも連携して治療を開始します。
担当歯科医師 : 大塚歯科クリニック院長 大塚 武仁 ・日本歯科大学 インプラント科 教授 柳井 智恵
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