脱！部分入れ歯。インプラント治療の難症例 #1 | 診療ノート | 新小岩の歯医者 大塚歯科クリニック

この患者さんは前歯部の欠損を長らくブシッジに頼っていたのですが、歯周病の進行にともないブリッジでは噛む力を支えられなくなり最終的にブリッジは外れてしまいました。その後は、部分入れ歯を使ってお過ごし頂いていましたが歯の根深くで感染が進行し、歯茎にその膿の出口(サイナストラクト)が認められるほどに悪化していました。

噛み合わせの問題に始まり、特に上顎は右前歯部を中心に歯牙の欠損、左上2番は歯根まで進行した虫歯があり、重度の歯周炎による歯肉退縮、骨吸収がみられることから、何よりも早急で適切な虫歯治療と歯周病治療が求められる状況でのご来院でした。

 

上の前歯の裏側をミラーを使って見てみると、唇側の歯茎が赤黒くなっていた左上2番、3番の歯は被せ物の隙間から虫歯が進行していることが伺え、歯茎も炎症でブヨブヨとしています。患者さんはこれまでのブリッジ、そして部分入れ歯のストレスもあり、強く歯科インプラントをご希望になられましたが、歯と歯茎の状態、そして顎の痩せた骨の状況からインプラント手術は非常に難しい状態であると、まず率直にお伝えしました。

虫歯と歯周病の基本治療をしっかりと進めながら患者さんの強いご希望を歯科医師として受け止め、日本歯科大学のインプラント科教授である柳井先生とも意見交換をおこない極めて難しいケースとはなりますが、患者さんの希望を汲んでインプラント治療も慎重に検討していくことと致しました。