診療ノート

歯ぎしり・食いしばりの真実 #2

前回、お話したように安易に奥歯の神経を取って(抜髄)しまうと…そう遠くない将来に、噛んだ時の痛みや違和感や歯肉の異常があらわれて、はたまた歯医者で根の先の異常(根尖病巣)をレントゲンで指摘されたりします。このように臨床症状が出たら「抜歯」と言う悲惨なゴールが待っていることを患者さんはご存じでしょうか?


前回ノートの冒頭に難症例と書きましたが、歯ぎしり・食いしばりの治療自体は正しい診査診断と標準治療で改善、安定させることができます。ただ日本の歯科医療に足りないのは、患者さんと歯科医師とのコミニュケーション、また患者さんご自身の自分の歯と健康に対する興味や関心の低さが「大きな壁」です。

また、歯軋りの治療には漢方薬もあり、抑肝散54ツムラを処方することもあります。

大塚歯科クリニックは口腔外科に留まらず、こうした漢方薬をふくめた薬学的アプローチ、習癖の改善サポートなど理学療法的アプローチを包括的に活用し、歯科治療のロンジェビティを念頭に、開院からできるだけ神経を温存する治療、できるだけ抜歯しない「天然歯の保存を第一に考える歯科治療」を実践しています。


治療は患者さんにも、自分も納得いくものにするのは当たり前。それより治療なんてしなくていいお口の状態を維持する術を知り、実践する。私はそんな歯科医師、クリニックでありたいと思います。

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