診療ノート

歯ぎしり・食いしばりの真実 #1

日本国憲法は日本国と国民の間の約束(契約)です。同様に、このノートは私が患者さんに対して守るべき「約束」をしたためます。2024年、齢60歳。そして臨床家人生30年以上を過ごした一人の歯科医師として患者さんにお伝えます。


私が考える難症例は、何と言っても「自覚の無いままに、食いしばり・歯ぎりを続けている患者さん」です。ご自身の食いしばりを自己認識されていないので理解頂くのが難しいのですが、食いしばりや、歯ぎしりは直ぐに治るものではありません。それ故に歯の痛みの原因が「力のかかり過ぎ」ではなく、虫歯で歯が痛いと信じて疑わない方も多いため、大塚歯科クリニックに来院されても「神経を抜いて欲しい」とか、「歯を抜いて欲しい」など、歯科医師の立場からすると間違った処置をリクエストなさることが多い気がします。


あまり知られていませんが、実は歯軋りの治療は心療内科の領域なのです。
もちろん歯を抜けば痛みは収まりますし、同時に神経を取ると歯が当たらないように低く削りますから、一時的には食いしばりの力から解放され「治ったかのように患者さんは錯覚かつ誤解されて」結果として歯医者は感謝されます。しかし、正解な診断も治療結果も無い!間違った歯ぎしり治療なので、早期に症状が再発し更なる悪化が散見されます。

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