診療ノート

虫歯治療は穏やかに 歯周病治療は積極的に【1】

私が歯科医師になったのは正にバブル経済後半で、卒後の臨床研修先は売上至上主義、患者さんの健康利益より自院の経営利益を最優先する歯科医院でした。ときに患者さんの信頼を裏切るような診療方針を私は受け入れることはできず、新しい道を模索していたところ、自衛隊に「医科・歯科幹部自衛官」という制度があることを知りました。

入隊当時

そして、陸上自衛隊歯科医官(2等陸尉)として任官。とは言え、駆け出しの歯医者です。自衛隊は組織として歯科医師の学べる環境が整っていること、また外部の大学や病院で専門分野の研修ができる制度(通修と言います)があったこと、既に家族もありましたから、安定した職場と収入も自身の鍛錬にとって有難く1992年の任官から約10年間、制服組の衛生幹部として任務に就きました。

最初の赴任地が滝ヶ原駐屯地という東富士演習場の隣だったこともあり、いわゆる通常の衛生任務だけでなく、レンジャー訓練・実弾射撃・空挺降下など文字通り、心身を鍛える経験を積みました。私の好きな「平常心是道」という禅の言葉のとおり、冷静であること、チームを信じることは大塚歯科クリニックの日々の診療に活かされています。

自衛隊隊員の環境は過酷です。お口の健康維持というのは、大げさでは無く健康管理、時に命に係わる防疫及び衛生管理の要となります。歯が痛くなったとき、時間のある時に気軽に受診できる私たちと異なり、自衛官は歯が痛くては任務に支障をきたしますから虫歯や歯周病に侵されては為りませんし、心身の健康に保つために咀嚼や嚥下、咬み合わせも良好に保つ必要があります。言葉を換えれば、究極の予防歯科が常に求められる環境とも言えます。

この静岡赴任時代に、私の歯科医師人生を左右する恩師との出逢いがありました。

この自衛隊での経験と通修での恩師との出逢いとは、大塚歯科クリニックが開業から掲げているスローガン「虫歯治療は穏やかに 歯周病治療は積極的に」に繋がっていきます。