診療ノート

残せる虫歯、残せない虫歯 3

 

保存が不可能な状態だった左下側の一番後ろの奥歯を抜歯し、抜歯同時GBR法(リケットプリザベーション)施術をした所まで、前回のノートでお話しました。

抜歯同時GBR法後のレントゲン

この患者さんの場合は、おそらくソケットプリザベーションを行なければ、充分な長さのインプラントを埋入する事は難しかったと思われます。このようにCBCT(歯科用CT)の撮影データを活用したインプラント埋入計画用のソフト(iCAT)を使うことで、使用するインプラントと同じ形態のインプラントを3次元の画像上で確認することが可能となり、より安全なインプラント手術に繋がります。

この iCAT は大阪大学が開発したインプラント埋入計画用のソフトですが、立体画像診断としての機能だけではなく、その患者さんだけの専用の埋入器材(インプラントガイド*)を特注することもできる優れものです。
*ガイドとは有償のオプションとなる機材で、治療計画に沿ってインプラントの位置・角度・深さなどを勘や経験だけに頼らずに安全に埋入するための半透明の樹脂製アタッチメントです。

大塚歯科クリニック 院長 大塚 武仁
日本歯科大学 インプラント科 教授 柳井 智恵