症例紹介
奥歯のジルコニア治療
50代 女性 / 2025年1月17日 公開

治療前

治療後
患者さんは50代の女性です。保険で治療た奥歯が不適合というお悩みでご相談頂きました。過去に保険の根管治療でスクリューポストとレジンでの支台築造がされており、金属ポストの除去は歯根破折のリスクが高いため根の再感染リスクが低いことを慎重に確認したうえで、支台の再形成をおこないジルコニアクラウンで治療を終えました。
STEP1 ご来院時

患者さんは保険で治療した銀歯に不安があるということでご来院されました。保険により右上の奥歯を根管治療し、スクリューポストという細い金属製のネジを歯の心棒としていました。歯の根っこに金属が文字通りねじ込まれているため、撤去することで根を割って(破折)しまう可能性があります。
奥歯はどんなに丁寧に歯磨きをしても、ブラシやフロスが届きにくくプラークが溜まりやすい部分です。「歯を食いしばって頑張る」という言葉があるように、噛む力(咬合力)を大きく受け持つのは原則的には奥歯になります。丈夫な歯ですが食いしばりや噛みしめの傾向の強い方は、過度な力による咬合性の外傷(炎症)がきっかけになり歯周病に進行することや、過度の噛みしめによる微細なヒビ(マイクロクラック)や、欠け(チッピング)から虫歯に繋がることがあります。
STEP2 現状と治療計画

虫歯が歯の根で再発していないことを慎重に確認し、スクリューポストの温存によるリスク評価をしたうえで再利用することとし、患者さんのご了解のうえ治療を進めました。
治療内容
- ・支台歯形成
- ・ジルコニアクラウンの作成
STEP3 ジルコニアクラウンの作成
強い力が加わる奥歯ということで被せ物は今回、丈夫なジルコニアクラウンを選択しました。保存的な歯科治療の要と言える歯周治療を事前に済ませ、歯ぐきのコンディションを整えたうえで、金属のスクリューポストを活用する支台歯築造を行いました。

歯周病治療・予防はこのように1本の歯でこそ大切で、歯型を採るまえの徹底した歯周治療が治療の精密さを高め、結果として治療後の QOL に繋がります。歯ぐきを整え健康で引き締まった状態としたうえで、シリコンによる精密な歯型を採得します。大塚歯科クリニックは歯科治療の基本を大切にしています。
STEP4 ジルコニアクラウンの装着

印象から約10日間ほどでジルコニアクラウンが完成しました。事前の噛み合わせ診断をもとに歯の上側(咬合面)の凸凹(小窩裂溝)も患者さんに適切な形態でデザインしています。
ご覧のとおり隣りあう歯は保険によるCAD/CAM冠で修復されているので色が異なります。CAD/CAM冠とは、保険適用で廉価なハイブリッドレジン(プラスチックの一種)で作られるため、色調が不自然になりがちです。その隣の歯も保険の金属で治療されています。これらもジルコニアやセラミックで治療するのが理想的かも知れませんが、患者さんのご希望に対して予見できるリスクをお話した上で、最善の治療を提供します。
理想論を振りかざして患者さんを困らせたり、増してや高額な自由診療を強制するなどと言う事は、大塚歯科クリニックでは一切ございません。
治療費
治療は基本保険診療となり、ご希望により自由診療も選択頂けます。価格と税率は治療当時のものとなります
※治療費は全て税込の価格となっております。
印象採得 |
1 |
¥11,000 |
ジルコニアクラウン |
1 |
¥165,000 |
小計 | ¥176,000 |
治療費については治療費一覧のページもご覧ください。
治療担当
医師:大塚 武仁
治療リスクについて
治療中に一時的な咬合痛や冷温水痛、若干の歯肉の腫れ、発赤などを生じることがあります。また仮歯の時期には仮歯の脱離や破損の可能性、舌感などに違和感を感じることがありますが、本歯に移行するまでに通常消失します。
※すべて症例による違いや個人差があります。
掲載写真について
すべての写真データは大塚歯科クリニックによる臨床記録です。見た目を変える画像加工は行っておりません。またメーカーや学会誌からの転用などもございません。掲載写真は実際に治療を行った患者さんの同意を得て、治療を検討する方への情報提供と啓発を目的として公開しています。
- 新小岩の歯医者 大塚歯科クリニック
- 症例紹介
- 奥歯のジルコニア治療